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11月15日(金)~11月20日(水)までの5日間に渡り開催されたAIアート展『CCS Art Gallery Gathering』。画像生成AIであるStable Diffusionを操作するためのオープンソースツール「ComfyUI」のコミュニティイベント「Comfy Community Summit(CCS)」の一環として開催されたこのエキシビジョンは、バーチャルの今後を捉えた大変興味深いものでした。
「ComfyUI」のコミュニティイベント「Comfy Community Summit」
突然ですが皆さん、最近話題の画像生成AI「Stable Diffusion」ってご存知でしょうか?これはユーザーが入力したテキストを頼りに、AIがオリジナルの画像を数秒~数十秒程度で自動生成するシステムのこと。現在様々な画像生成AIが存在していますが、日本では「Stable Diffusion(ステーブルディフュージョン)」が有名です。
この「Stable Diffusion」を操作するためのオープンソースツールの1つとして存在するUIが「ComfyUI」です。「ComfyUI」は無料で無制限に画像を生成できるため、コストを気にせず利用できる点が魅力となり、一気に国内に広がりました。
SD3.5Large from 5 to 95 years young. Impressive stability and impressive prompt comprehension. Use “girl” under teenage years, “woman” from teenage and up pic.twitter.com/RsoYJ8n5Ib
— Matteo Spinelli (@cubiq) October 23, 2024
そんな「ComfyUI」のコミュニティイベント「Comfy Community Summit」が開催。その一環として開かれたのがAIアート展『CCS Art Gallery Gathering』だったんですね。
技術と感性のバランスとは。AIアート展を開催した理由
ではなぜこのタイミングでAIアート展開催に至ったのか。その理由はよく話題になる“感情の無いAIに作品が作れるのか”という命題にあったようです。
この件について、会場となったクリエイターズユニット兼ギャラリー機能を有する「SOMSOC GALLERY」の宮崎壮玄さんはこう語っています。
「「AIアート展」というと、感情の無いAIに作品が作れるのか。という命題が今のところ常についてまわります。僕の周囲の作家に聞いても、「最終的には人の温かさがある作品が好きです」という反応をする人が大半です。
僕は中国にいた時、メタバース開発の会社を運営していました。そのとき思ったのは、技術と感性のバランス。感性は素晴らしいけど形にする技術がない。技術はあるけど正直ダサい。技術と感性が両方高水準なものを生み出すにはかなりの手間がかかります。
アートの世界においても、技術と感性の歩み寄りがここ10年で顕著になってきています。AIのおかげで、才能ある人がより効率的に努力できるようになったという人もいれば、人間から感性を盗みつつあると危惧する人もいます。今回の展示では、現時点でのCCSの最先端のAIアートをSOMSOC GALLERYと原宿の大型ビジョンに集めました。AIアートが僕たちに、新しい表現を提供するのかどうか、みなさんに見届けてもらいたいと思います。」
AIにまつわる人々の交流が目的に
さて、本展で大切なポイントの1つが“AIにまつわる人々の交流”です。
展示自体は11月15日(金)~11月20日(水)まで「SOMSOC GALLERY」で行われたのですが、期間半ばである17日にはアーティストが在廊しアーティストガイドツアーも開催。ツールの使い方はもちろん、インスピレーションや作品が生まれた課程など、AIアートにまつわる様々なディスカッションが交わされたようです。
そもそも今回のCCSは最新の技術進歩と創造的なアイデアの共有を行うとともに、オープンソースのAI開発者、研究者、アーティストなど、グローバルなコミュニティメンバーの交流を目的に開催されたもの。それを補う形で存在した本展示の存在意義は大きいですよね。
展示された新世代のAIアートたち
それでは本展で展示された作品たちを紹介しつつ、本記事を締めさせていただこうと思います!
AI作品 『愛憎半ば』
【新世相 第一回 AI アートフェスティバル作品展 · 受賞作品より作品選抜】
『初めての二人一緒のエクスタシー』2024
新世相銀賞受賞作品
作家:上官文卿
『間に合わない』2024
新世相銅賞受賞作品
作家:酒鬼橋BoozerBridge
『関係』2024
新世相銅賞受賞作品
作者:喫窝窝頭嗎
AI作品 · 油彩
『愛の現場シリーズ』2024
作家:Simon阿文 (Simon Lee)
AIアニメーション
Ukiyo-AI Girl
作家:852話(hakoniwa)
Until_Our_Eyes_Interlink
作家:shanef3D
【北京国際映画祭AIGC映画短編アニメーション最優秀作品】
REPLY AI FILM FESTIVAL WINNER
『親愛なる私へ To Dear Me』2024
監督:童画
AI クリエイティブ:陳劉芳 周帝 海辛Hyacinth Simon阿文
出品:CUC Anima & Ainimate Lab
【上海イラストレーションフェスティバル(2024)インディペンデントアニメーション展放映作品】
【London Design Festival (2024)放映作品】
【中国中央美術学院『永不落幕的創意生活』展(2024)放映作品】
『潜空間旅行計画』 2024
作家:海辛Hyacinth
Jazz Scene USA
作家:machine.delusions
AI インスタレーション
AI 居酒屋・物語
作者:快楽造物
Meow Oracle
作家:樊開然、陳星亜、邾俊、陳吾行
この記事を書いたスタッフ