皆様いかがお過ごしでしょうか?GPの宮永です。メタバースが急速に拡大し始めたここ最近、なんとファッションブランドに続き美容ブランドが続々参入中らしいのですが……えっ、メタバースと美容って相性悪くない!?どういうこと?!?
ということで、今回はメタバースへの美容ブランド参入の理由や、今どんなことが行われているのかについてご紹介できればと思います。
美容業界もメタバースに注目
ファッションやエンタメ、旅行などさまざまな業界の企業が参入してきたメタバース。2022年にはFacebookのmeta社への社名変更をきっかけに更なる話題を集めました。そんな中、ここ最近の化粧品業界では新たな顧客接点としてのメタバース活用が急速に拡大中。
とくに海外では、多くのブランドがVRショップの充実をはじめ、メタバース内でのプラットフォームとの提携、さらにはメタバースを活用した新しいプロモーションなどに注力しています。
メタバースで美容ブランドを展開する意味
化粧品業界がメタバースに目をつけた理由は主にこの3つ。
1:メタバース上での化粧品のテスティング
2:ライブストリーミングでの商品販売
3:NFT発行でブランド価値をUPし、ファンの拡大に繋げる
上記について、細かく説明していきましょう。
1:メタバース上での化粧品のテスティング
コロナによってオンライン化が急速に進んだことで何が進化したかって、拡張現実、いわゆるARでしたよね!SNSを筆頭に、自分の動画や画像の写真に化粧という加工を施す技術が格段にアップ。これにより、ファンデーションやアイシャドウ、マニキュア、口紅などのコスメをオンラインで購入する前に、よりリアルにテスティングすることができるようになりました。実際に店舗に足を運んでも気になるアイテムがないことって多々ありませんか?あったとしても全然似合わなくて無駄足じゃん!なんて経験もきっとありますよね。それを払拭してくれるARって超便利。
2:ライブストリーミングでの商品販売
化粧品業界は顧客との距離を縮めることがとても大事なのは、デパートの化粧品売り場を見ててもよくわかります。この重要なポイントをオンラインで可能にするのがライブストリーミングです。
海外の化粧品ブランドでは、自社のメタバースを利用したライブストリーミングショッピングを没入感ある方法で実施しているところも多々あります。特に中国ではコロナをきっかけに空前のブームに。インフルエンサーを中心に主催するライブショッピングショーが人気を集め、その売り上げも相当なものだとか。
3:NFT発行でブランド価値をUPし、ファンの拡大に繋げる
メタバースの進化とともに発展を遂げるNFT。このNFTを提供するコスメブランドが『Givenchy Parfums』『Nars』『Clinique』をはじめ続々登場中。NFTの保有者になると特典がたくさんつくのがポイントです。限定商品の先行販売や、イベントへの招待etc……ファンならぐっときちゃいますよね!
コスメブランドは毎シーズン限定アイテムを打ち出し、それがすぐに完売するぐらい『固定のファン層がいる業界』です。NFTによって更にブランドのとファンとの繋がりが強固になるなんて意見もあります。
美容業界のメタバース参入事例
さて、それではどんなコスメブランドがどんな形でメタバースに参入しているのかをチェックしていきましょう。
【Charlotte Tilbury】バーチャルストアのブームを牽引
仮想空間の中で宝探しをクリアすることで限定アイテムがゲットできる機能や、友達とビデオチャットしながら買い物できる機能がつけられている『Charlotte Tilbury』のバーチャルストア。訪れるだけでワクワクするブランドの世界観が良く表現されたバーチャルストアは、まさにビューティーのアミューズメントパークのような作り。友達とビデオチャットしながらオンラインでショッピングできるとか新しすぎません?
【La Roche-Posay】専門家のアドバイスもオンラインで
フランスの美容ブランド『La Roche-Posay』からバーチャルのストアが登場。無料でできる肌の分析はもちろん、専門家からのアドバイスなどが受けられるコンテンツやフェイシャリストの施術を観察するコンテンツまで多岐にわたり展開しています。
【PRADA】バーチャルモデル『キャンディ』の起用
PRADAの取り組みは『Prada Candyフレグランス』をリニューアルする際の、ブランド初バーチャルモデル『キャンディ』の起用でした。これまではおなじみのファッションモデルやインフルエンサーを起用してのPR戦略でしたが、テクノロジーに敏感なZ世代をよりターゲットにするため、より革新的なバーチャルモデルの使用をチョイス。
【Nars】アバターにデジタルメーキャップルックをON
メタバースの楽しみといえば、自分の分身であるアバターを自分の望み通りの姿にし、仮想空間の中で自由に動かすこと。ここ最近、アバター作成できるメタバースのプラットフォームと美容ブランドのコラボも目立っていて、シーンをリードするブランドの1つとして外せないのが『Nars』。韓国発の大手メタバースプラットフォーム『ZEPETO』とパートナーシップを組んでいます。
自分で作った『ZEPETO』のアバターにNARSのデジタルメーキャップルックを着用させることができ、さらにバーチャルフォト・ビデオブースで遊ばせることも。
【Estée Lauder】オリジナルのウェアラブルNFTを制作
メタバースにもメタバースの著名人がいます。それはデザイナーも然り。Estée Lauderはメタバース空間で有名な女性アーティスト、アレックス・ボックスと共同で同ブランドの人気美容液に着想を得たオリジナルのウェアラブルNFTを制作。ユーザーは美容液のアイコン『リトルブラウンボトル』の中に入ることでアバターに輝くオーラを与えるNFTウェアラブルを1つゲットすることができちゃいます。
【Clinique】多様性を尊重するNFTメイクアップ
Cliniqueは8888体の女性やノンバイナリーのアバターコレクションを集めたNFTコレクション『ノンファンジブルピープル』を展開するDaz 3D社とパートナーシップを組みました。そしてブランド初となるNFTメイクアップキャンペーン『A Metaverse More Like Us』をメタバース上で展開。世界的なメイクアップアーティストのテス・デリ―、シーカ・デイリー、エミラ・ディ・スペインとコラボレーションし、肌の色や顔の形、ヘアスタイルに合うように、それぞれ2種のメイクルックを用意。全ての人の個の美しさにフィットする多様性を尊重するNFTメイクアップをリリースしました。
終わりに
いかがでしたでしょうか。ビューティ業界でも注目を集めるメタバース事業。メタバースやNFTが人々の生活にさらに浸透し、より身近になる時代がすぐそこまで迫っています。これまで仮想空間で美容がコミットするなんて考えたことありませんでしたよね。しかし、こうも素早く浸透するとは。メタバースといえど使うのは人間です。別世界なのではなく、世界を分けていた線が消えて一気に現実世界が拡張するっていう感覚のが近いかも?
この記事を書いたスタッフ