目次
みなさんこんにちは!GPの宮永です。
今回の記事では、先日発表されたクールすぎるオルタナティブなデザインアワード受賞作品についてご紹介。バーチャルとフィジカルの地平が溶け合う新時代のデザインアプローチって、一体どういうデザインなのでしょうか。
仮想と物理を跨ぐ新しいデザインアワードを知ってる?
今年の2月15日から4月29日にかけて応募が行われた「GEMINI Laboratory GLOBAL DESIGN AWARDS」。これはバーチャルとフィジカルの地平が溶け合う時代における新しいデザインのアプローチを具体的なアイデアとともに世界から募集するというもので、建築、インテリア、ゲーム、ファッション、映画など領域は自由自在。
The winning entries for the GEMINI Laboratory GLOBAL DESIGN AWARDS have been selected.
— GEMINI Laboratory (@gemini_lab_en) May 20, 2024
Entries were received from all over the world and seven works were awarded by Mark Foster Gage, Pamela Golvin and Liam Wong. Read more!https://t.co/sKZYiFgDIA
打ち出したのはTOPPANで、世界中から応募が殺到。その中から審査が行われ、7受賞作品が選ばれました。それぞれの作品はユニークで異彩を放つものばかり。このアワードによって、これまで隠れていたバーチャルにおける次世代のカリスマたちが可視化されたって思うと感慨深い。
TOPPANのミラーワールド実現PJ「GEMINI Laboratory」とは
みなさん、そもそもTOPPANがバーチャル領域に踏み込んでいたってご存知でした?
長い歴史の中で、様々なものを生み出し国内印刷業界を牽引してきたTOPPANですが、実はミラーワールドの実現にも力を入れていたりするんです。
What Are The Possibilities Of The Mirror World? More Than 4 Hours Of Discussions Between Various Experts https://t.co/I4jYPCAeie
— GEMINI Laboratory (@gemini_lab_en) July 14, 2023
「GEMINI Laboratory」と呼ばれるプロジェクトでは、様々なプレイヤーとの共創によって、フィジカルとバーチャルが作用し合う「ミラーワールド」の実現を目指した研究とサービス開発に注力。今回のグローバルアワードも、この「GEMINI Laboratory」によるものだったんですね。
世界中から応募殺到「GEMINI Laboratory GLOBAL DESIGN AWARDS」
グローバルアワードということで、世界中から応募が殺到した「GEMINI Laboratory GLOBAL DESIGN AWARDS」。建築家のマーク・フォスター・ゲージ氏、キュレーターであり作家、そしてファッション歴史家のパメラ・ゴルバン氏、ゲーム開発者のリアム・ウォン氏が審査に参加し、7つの作品を受賞作品として選出しました。
受賞者には賞金が贈呈されるほか、現在GEMINI Laboratoryが構築しているデータライブラリー「AltField」の公式データとして採用されるという特典付き。
クリエイターは名誉と認知が得られ、「GEMINI Laboratory」はハイクオリティな作品を公式データにできるというお互いウィンウィンな今回のアワードですが、気になるのは受賞作品。ということで、今回受賞した7つの作品から上位3作品をピックアップし掲載文とともにご紹介。他受賞作品が気になる方はここから今すぐチェックして。
グランプリ『デジタル擬態』
植物擬態は進化生物学の概念であり、植物物体が生理的または形態的に類似したほか他の生物に変化し、その適応度を高める現象を指す。植物の環境に対しての擬態は、AIが人間を模倣する相似性がある。AIが人間に模倣による図形と文字を創造すると、植物が周囲の環境に対して擬態するようにマッピングし、これによりAI 進化と自然進化の間の共通性を検討する。だから私はコンピュータに植物をテーマに人間の創造行為を模倣させた。
<クリエイター/LI MANNING>
LI MANNINGは、メディアインタラクティブデザイン、インフォメーションデザイン、グラフィックデザインなどの分野を探求するアーティスト。大学院でさら更なる知識を深めることを目指し、東京藝術大学大学院美術研究科デザイン科の空間表現研究室にて修士課程在籍中なのだとか。
準グランプリ『Meta Blessing』
「Meta Blessing」は、仏教文化とNFT技術を融合させ、仏の天恵をメタバースに持ち込む画期的なプロジェクト。仏教のオブジェクトを現代的なスタイルで再構築し、ARに取り入れて、祝福をNFTに変換し、デジタル領域でのスピリチュアリティを探求する。
宗教とデジタルユニバースの領域を交差させる画期的なプロジェクトであり、NFTの概念を利用して、寺院の僧侶によって祝福された仏教の神聖なオブジェクトの真贋を認証し保存する。これらのNFTはオブジェクトの真贋だけでなく、尊敬される精神的な教えとのつながりも確認可能だ。AR技術を使用して、この真贋を視覚的に示し、フィジカルとデジタルを融合させた没入型の体験を提供する。(説明は一部抜粋)
<クリエイター/Qiuang Li>
Qiuang Liは、先進的な工業製品デザイナーであり、セントラル・セント・マーチンズでの修士号と、UALでの気候擁護活動、アートフィューチャーコンサルティングでのプロダクトリーダーシップの経験を持つマルチなアーティスト。「Meta Blessing」や「Xnft」などのプロジェクト及び、AR、NFT、持続可能なデザインを実践しています。ロンドンデザインフェスティバルやMullenLowe Nova Awardsでその才能を認められ、文化と技術を融合させたラグジュアリーでインタラクティブな空間における持続可能性を強調したデザインを創り出すことに卓越しています。
GEMINI Laboratory 特別賞「free will material」
質感や形状をデジタルで自由に変更できる素材。 ユーザーは素材の質感や形状を自由に変えることができる。一般的なデジタルライブラリーではユーザーはあらかじめテクスチャーや形状が作られたアセットを購入し、ダウンロードするが、ここで提案するのは、デジタル上で常に品質や形状が変化するマテリアルやオブジェクトである。
<クリエイター/TAMURA Ikuho>
1997年7月16日生まれで愛媛県松山市出身。東京都在住。尾道市立大学卒業後、グラフィックデザイン、タイポグラフィ、映像、3DCG、コミッションワークを中心に、グラフィック領域におけるビジュアル表現の探求を通して、新しい情緒的な価値の創造を実践しているアーティスト。
終わりに
バーチャル分野におけるアワードは様々なところで行われていますが、実は日本にも世界を股にかけたコンペティションが多く存在するんです。現在進行形で猛スピードで加速するバーチャル・メタバース事情。瞬きした瞬間に最新同行を見逃しがちなので、アンテナを貼って常にチェックしていきたいですよね。そんなお手伝いがこれからもできるように頑張ります!それではまた。
この記事を書いたスタッフ